ストレートパンチは、ノーモーションで打つのが当たりまえだ。
プロボクサーのパンチは基本的にはすべて、ノーモーションだ。いかにして相手に悟られないで、パンチを出すかを日々鍛錬している。
構えた位置から狙った位置に、真っ直ぐに伸ばして当たる瞬間に、内側にひねりながら、それまで軽く握っていた拳に、瞬間的に握力を入れてナックルで打つ。
ボクサーは、毎日ノーモーションで打っているので、逆に、モーションを付けた打ち方は、ドローイングパンチ(引っ掛ける・だます)以外は、打てないだろう。
競輪の選手に聞いたが、自転車を「手でこげ」と言う教え方の言葉のがある。ハンドルを力いっぱい引きつけてペダルをこぐのだ。
パンチも脚で打つ打ち方が理想だ。(余談だが、30年以上前、自転車に興味があった私が、競輪場のバンクを走った経験があるのが自慢だ)。
私の知っているボクサーで、脚で打っていたのは、具志堅用高氏だ。サンドバッグを打っている所を拝見したが、重量級ボクサーが打っているような迫力だった。
パンチが当たる瞬間は、足の裏が地面から離れている。パンチに全体重が乗っているのだ。
具志堅用高氏の、ワンツーストレートから、スリーの返しのフックの打ち方を、私なりに解説してみると、ワンを打ちながら、後ろ足でキックして飛び込む。前足が着地した時は、ワンを引きながらツーを打っている。
このとき重要なのは、ワンとツーが同じスピードで移動する事だ。ツーを打つ時に、意識してワンを引くようにする。
野球のバットスイングの時のように、ヘッドを動かさない。背骨がぶれないで真っ直ぐに回転する。
そうする事で、ワンツーのスピードが上がる。
次にフックだが、ワンツーでひねり込んだ腰を、ツーを打った位置(仮想)を目標に、両足で地面を蹴って腰を戻しながら、顎の位置に戻したワン(わきをしめている)を、遠心力を利用してフックを放つ。
この時、ナックルをひねらないと、オープンブローになりやすいし、親指を当てて突き指をしていまうので、肘をナックルと同じ位置迄上げて、肘までを目標に向かって、打ち抜く様にイメージしながら打つ。
大事な事は、ナックル・肘・肩の3点が、目標に向かって水平に移動する、イメージでなくてはならない。
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