技術(テクニック)に差がない対戦では、闘志(ファイティングスピリット)が勝敗を分けるのだが、C 級(4回戦)ボクサーの試合ではよく観られる風景だ。
闘志を維持するのには、スタミナが必要なので、闘志とは、気力と体力のことだと分析する。その気力と体力で有名だったボクサーなのが、元フライ・バンタム級チャンピオンだった、ファイティング原田氏だ。

ファイティング原田氏のボクシングは、ラッシングパワーの闘志だけではなく、技術もそなえていた。ヘッドスリップで、相手のパンチをかわしてインファイトしたり、見事なワンツーストレートも打っていたのだ。
B 級・A 級と上がっていくと、並大抵のファイティングスピリットだけでは、テクニックをしのぐ事はできない。ある程度の技術は必要だ。そうでないと、試合ごとに満身創痍になり、ボクサーを引退した後の身体に悪い影響を及ぼす事になる。
つまり、パンチドランカーだ。辞書を引くと、「頭部への打撃の蓄積のため、脳に障害を起こしたボクサー」と書いている。
昔のランキングボクサーやチャンピオンには、引退した後に言語障害が出るボクサーもあったようだ。数年たつと直ってしまったりするが、中には今だに苦しんでいる元ボクサーもいる。
昔の試合は、ダウンされても立ち上がり、逆にダウンをさせて勝利するようなシーンが多かったが、それがダメージにつながるのではなく、試合よりも練習のスパーリングでのダメージの方が影響している。インファイトボクサーたちにもデフェンスはある程度は必要だ。
現在のファイトでは、レフリーのストップが早いので、ダメージがそんなにあるとも見えないようなボクサーもストップされてしまい、観ていて消化不良を起こす事もある。
健康管理の上ではその方が良いのだが、プロのファイトなのである程度は仕方の無い事だと思う。どこでストップするか、見極めも難しいのでレフリーも大変だが…。
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