私が知っているハングリー・ボクサーは、世界フライ級チャンピオンの大場政夫氏だ。(ボクシングファンは誰でも知っていると思うので、あえてその理由は書かない)
試合に向けてのスパーなど、最初から最後までを、何度か拝見した事がある。私の自慢のひとつだ。

大場選手のラストファイトとなった、チャチャイ・チオノイ戦。撮影:みなさぶろう
逆にハングリーではなくても強かったボクサーは、元スーパーフライ世界チャンピオンの渡辺二郎氏だ。
大学の日本拳法からボクシング界に入って、チャンピオンになったが、まったくハングリーとは無縁の裕福な育ちの方だ。
ボクシングスタイルも、二刀流の宮本武蔵のような感じがした。右利きのサウスポーで、マイペースで、このクラスでは1番強かったと思う。
昔のボクサー志望者は、中学を卒業して15歳でボクシングジムに入り、毎日8時間勤務の会社の仕事を終えてから、ジムに通ってトレーニングに励んだ。
今は、高校・大学に通学しながらのボクサーが多くなった。アマの世界で成績を残して、プロに転向した者がかなりいる。
そのためだけではないだろうが、ボクシングスタイルも、ボクサータイプが増えた。
ボクサーがハングリーで無くなった一番の原因は、ファイトマネーが少ないからだろう。
サッカー、野球、競輪、競艇などの選手とは、比べ物にならない程少ない。時代の変化で、いたしかたのない事だ。
だから、今のボクサーはお金の為だけで、ファイトしているのではない。生きているあかしの為に、ファイトしているのだ。
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